最近、Twitterで著名な方のツイートを眺めるのが面白くなってきたのですが(最先端の有益な情報が手に入る)、その中で、将棋AI:Ponanzaの作者である山本一成さんのnote記事に行きつきました。
興味深かったので引用させていただきます。
将棋ウォーズにある史上最強に弱いPonanzaの話|山本 一成@Ponanza|note(ノート)
Ponanzaは前述のとおり、山本一成さん作の将棋AIで、世界コンピュータ選手権2連覇や2017年の電王戦で佐藤天彦名人に勝利する等、非常に有名な将棋AIです。
山本さんのnote記事によりますと、将棋ウォーズ(将棋のオンライン対戦アプリ)に搭載されている練習モードの「簡単」モードの正体は史上最強に弱いPonannzaだとか。
どのくらい弱いかというと、将棋のルールを覚えたての私の5歳の甥っ子でも勝てるくらい弱い。
敢えて相手の駒の前に飛車を動かしてくる、いわば飛車の寸止め、といったような、エクストリームな差し手をしてきます。
というのも、評価値を内部では反転させて思考しているようで、そうなると、この最弱Ponanzaは常に自分が不利になる手を指すことになるので、適当にランダムに手を指すよりも弱くなり、ルールを覚えたての5歳児もでも勝てるわけです。
ある意味、あの最強のPonanzaが最弱の接待将棋をしてくれるわけですね。
これの面白いところは、将棋AIには評価値という概念があるので、やろうと思えば常にAI側が少しずつ不利になる絶妙手を指すように調整できるのでは?というところ。
現状の盤面を鑑みて、序盤~中盤は常に相手の半歩前くらいに位置するように進める。大きく離すことももなく、離されることもなく。
そして、終盤戦では1手差の接戦で負ける。
つまり、指導対局を目的とした将棋AIが作れるのではない、ということです。
プロ棋士が相手の棋力を判断して、丁度いい強さで指導対局をするように、プロに匹敵する棋力を持つAIが盤面の評価値を判断して、丁度いい強さで指導対局をする。
ルールを覚えたての人から、高段者の人まで自分の実力を磨くことができるAI。こんなAIがあれば、世の中にもっと将棋が普及するかもしれません。
その内、世界指導対局AI選手権なんてものが生まれるかも。
追記(2018/10/14)
将棋ウォーズにて、2018/10/15(月)から、将棋ウォーズ上でプロ棋士の指導対局が受けられる機能をリリースされるようです。
内容を読む限り、本当にプロ棋士・女給棋士の方が指導対局されるとこのと(今月は斎藤明日斗四段、竹部さゆり女流三段の予定)。
「生身のプロとの指導対局」のサービス化が実現されたわけですから、本記事で触れたAIによる指導対局も、そう遠くない未来に本当に実現するかもしれませんね。