製作後記

【ブログ】ピクトさんをさがせ!(WANPA QUEST編)製作後記


ピクトさんを探せ!(WANPA QUEST編)のタイトル画面

 

03/09(金)の公開から約1週間が経った、ピクトさんをさがせ!(WANPA QUEST編)。恒例の製作後記を書こうと思います。ゲーム本編の内容のネタバレを含みますので、ゲーム未プレイの方は、先にプレイすることを勧めいたします。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

まず、今回のコラボが決まったときの話から。昨年末に、WANPA's STOREとしては約3年ぶりの作品であるWANPA QUEST ANOTHER11 -Moving!-をリリースしたのですが、その時に、脱出ゲーム大百科様から直接「コラボをしませんか?」という連絡をいただきました。


前作のWANPA QUEST ANOTHER11

 

脱出ゲーム大百科様にはWANPA's STOREを立ち上げた約10年以上前からお世話になっており、またWANPA's STORE製のコラボ作品のお話はサイトを立ち上げて以来初めてだったので、この件を快諾させていただき、コラボ作品が現実のものとなりました。脱出ゲーム大百科様には、英語への翻訳やテストプレイ等、数多くのご協力を頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。

 

作品内容は自由に考えてOKということだったので、「ピクトさんを10人探して脱出」というコンセプトは守りつつ、それ以外の余白部分、ストーリー展開・ゲーム内容についてはほぼWANPA QUESTに寄せた形にすることにしました。また、「コラボ作品」ということで、ピクトさんとわんぱ君を同作品に出演させるチャンスができたのだから、ちょっとお祭りチックなストーリーにしようと思い立ち、今作の「超有名番組からのオファーと出演」というアイデアに至りました。ここは、脱出ゲーム大百科様からオファーいただいた私と重ねております^^;


「ピクトさんをさがせ!」はWANPA WORLDでは超有名テレビ番組という設定

 

 

更には、「対決」というコンセプトも思いつき、「ピクトさんとの対決に勝利するため」というピクトさんを10人探すことに対する動機づけを作りました。また、「対決するんだったら実際に戦おう」というアイデアも思いつき、「ピクトさんをさがす→ピクトさん合体→ピクトさんを倒す→脱出」というストーリーラインになることは作成初期の段階で決まっていました。バトルシーンのインタフェースはWANPA QUEST6で作っていたので、それを流用すれば手軽に作れることも手伝っています。


リリース直後の「対決」について言及するツイート。風呂敷を広げまくる

 

作品の大枠が決まったところで、実際のゲーム部分を設計。近年作成した作品は、手軽にクリアできるものが多かったので、折角のコラボ作品でしたし、作品のボリュームは過去最大級にしよう、という思いは最初からありました。ということで、六角形のマップに5個の家がある広めのマップを考案。マップの全体像は最初から見えていて、攻略を進めるごとに探索可能エリアが増えていく形式をとることにしました。この5個の家に、アイテムと謎とピクトさんをちりばめるわけですから、作品のボリュームは増えていきます。


ゲーム開始直後から見れるMAP。プレイヤーにマップの全体感(=ゲームボリューム)を感じさせる役割

 

 

私の場合、ある程度ゲーム全体の構想が決まって、アイテムや謎をマップに配置する過程で、「あ、これを足そう」「あ、これをこう変えよう」と思うことは結構あります。こういうのは、まずは走り始めるのが大事。これによりゲームが改善されていきます。例えば、最初はピクトさんと戦うための剣はアイテムなしで抜ける予定でしたが、ゲーム中で最大、かつ、マップ全体を通じての仕組まれた謎を入れようとしたため、時計の謎を思いつき、最初は電池を取るために緑の部屋にしかなかった時計が、すべての部屋に配置されることになったりしています。そこに入れるのはグローブにしておいて、これでピクトさんを倒せるようになる、そんな構想でした。


緑の部屋に入った時点で見ることのできる「箱」。今作では最大難易度の謎

 

 

ピクトさんの合体シーンと戦闘シーンも結構凝っています。10人のピクトさんが合体するシーンはロマンシングサガ2の七英雄との最終決戦直前をイメージ。ロマサガ2本家は拡大されたキャラが画面奥に縮小される演出でしたが、ピクトさんは画面奥から手前に拡大する演出になっています。また、戦闘シーンは、前述したとおり、WANPA QUEST6を流用しています。戦闘曲もWANPA QUEST6と同様の物を使っています。ちなみに、ピンチになってから宝石をはめて逆転するシーンですが、これも後に付け加えたものです。折角の最終決戦なので、もう1個イベントを足してみたかったというのが理由。WANPA QUESTシリーズでは伝統のヒマ人フィギュア破壊を最後の最後に持ってきたのも一種のファンサービス(?)です。ちなみに、最後の最後にFINISHをクリックしてトドメをさすシーンは、公開1週間前のテストプレイ時に付け加えたもの。勝利の瞬間の演出を盛り上げたかったのが理由です。


必殺の一撃のシーン。最初はこのFINISHボタンは存在しなかった

 

 

ただ、ちょっと計算違いだったのは、私の構想としては、「ピクトさんを10人探す→合体ピクトさんと戦うけど倒せない→時計のなぞに気づき剣を手に入れる→ピンチになって宝石を手に入れる→勝利!!」だったのですが、グローブの謎を解いた後にピクトさんを10人集めたプレイヤーの方々が結構多かったようで、ピクトさんを倒したときの印象が薄れてしまったのではないかと思います。「ピクトさんを倒せなかったけど、時計の謎を解いてピクトさんを倒せた!」というよりは、「ようやくピクトさんを10人探して、既にあるアイテムでそのまま倒せた」みたいな印象になってしまったのではないかと。今回の反省点。ちなみに、緑の部屋の壁に擬態したピクトさんが探し辛かったようです。


擬態したピクトさん。実は柱よりも手前にいたりする

 

 

ゲームを一通り作った後に、オープニングとエンディングを作るのが私のやり方。「テレビ出演」「ピクトさんと対決」というコンセプトに沿って内容を肉付けしていきます。対決の場所は、Collaboration EscapeWANPA QUEST ANOTHER4WANPA QUEST ANOTHER7で出てきたものと同様。また、店長の猛特訓のくだりはいつものお遊びです。店長が無茶苦茶する→奥さんに怒られる→赤ちゃんに慰められるという黄金パターン。気に入っているので、エンディングにも採用しています。こういう無茶苦茶な立ち回りをさせるのに店長はすごく使いやすいキャラ。


クソ対応を平然とやってのける店長。そこにシビれる!あこがれるゥ!

 

 

エンディングの前半では、わんぱ君がインタビュアーの質問攻めにあいます。そこで、わんぱ君の代わりに質問に答えるという、大人の対応を取るガス体。オープニングでもガス体が「外部関係者とのやり取りを引き受ける」というくだりがありましたが、店長とガス体の間で、お互いの役割がわかっていて、今自分がすべきことがわかっている感が好きです。店長とガス体の関係性は、TENCHO DUNGEON EXPERTのエンディングを見るのがいいと思います。ガチ目のローグライクゲームなのでクリアするのは結構大変ですが。。。


店長もガス体も、こういう対応はガス体が請け負った方がいいと分かっている。大人の友情を感じます

 

 

エンディングの後半はDVDの発売とピクトさんの手紙についてです。視聴率の高かった番組がDVD化されたというものなのですが、パッケージは緑と白で統一しています。これはピクトさんをさがせ!のデザインを踏襲したもの。オープニングで登場する番組告知ポスターも緑と白で統一されています。ちなみに、DVDの人気度ランキングのシーンは某通販サイトパロディですね。


どこかで見たことある白背景のランキング

 

 

ピクトさんからの手紙の英語版ですが、オープニングでは"Dear Mr. WANPA:"とMr.付き、かつ、セミコロンなで表記されていたものが、"Dear WANPA,"とカンマ表記になっています。今作の対決を通じてピクトさんとわんぱ君の間柄が親しいものとなり、手紙の文面もフォーマルなものからカジュアルなものへ変わったことが読み取れます。(参考)


英語版の手紙の文面。Dearの後に、セミコロンでなくカンマを使う方がより砕けた表現と考えられています

 

 

また、ピクトさんからの手紙の締めくくりが、今回の作品で一番言いたかったことです。「一緒に脱出ゲーム会を盛り上げていこう」というもの。2020年にFlashがなくなることが決まっているので、あと2年と少しでWANPA's STORE製の脱出ゲームがプレイでいなくなるのですが、引き続きこの界隈を盛り上げていければなぁと思っています。最近はFlash以外のプラットフォームとしてブロックチェーンを利用したDappsに注目しているので、楽しみにしていただければと。まあ、技術的課題と制度的課題により、Dappsゲームが繁栄するのは半年~1年以上後になると思いますし、ブロックチェーンとの相性的に、出来上がるゲームが脱出ゲームになるかはちょっとわからないですが^^;


熱い思いを解き放つピクトさんとそれに応えるわんぱ君

 

 

…というわけで、ピクトさんをさがせ!(WANPA QUEST編)製作後記は以上です。今回は結構しっかり製作後記を書いたかなという印象です。ちなみに次回作ですが、二頭身の新デザインわんぱ君で脱出ゲームを作成中です。実はある程度完成している状態で、そう遠くない将来にリリースできるかと思います。


新デザインのわんぱ君としおりちゃん。最近、LINEスタンプにもなった

 

というわけで、今後とも精力的に活動していこうと思いますので、よろしくお願いいたします!!

 

 

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